体内の化学反応へのタッピング



体内の化学反応へのタッピング by キャサリン・ライト


私達EFTプラクティショナーは、人々に(自分自身も含めて)粘り強くタッピングを持続するように
手助けする事の難しさについて、よく話し合います。

なぜなら、持続することによって成果が分かる事があるからです。


時折、粘り強さが無い場合は「変化する事に抵抗している」「努力したくない」「二次利得がある」
(註1)ように思えるものです。

勿論、これらの可能性もありますが、最近になって、EFTが役立つのではないかと思われる、
粘り強さの欠如に対する新たな2つの可能性に出会いました。

私は自分自身に対して、この2つの可能性について試みましたが、私は仕事を引退しており、
プロとしてクライアントを見ていないので、報告出来る成功例は1つしかありません。

そこで、他の人も試みてみたいと思われるかもしれないので、ここに紹介致します。


この可能性についての洞察は私のオリジナルではありませんので原典を紹介致します。それは


『Invisible Heroes: Survivors of Trauma and How They Heal』by Belleruth Naparstekです。


この本の中で、著者はトラウマの生体化学反応と、その化学反応の連鎖、その連鎖反応がどのよう
にして永続してしまうのかという研究を引用しています。トラウマの生体化学反応は、その人の意識
のコントロールを離れて、それ自体生命を宿しているようなのです。

それを読んで、タッピングが生体化学反応の連鎖を中断するようになるという事が、トラウマを抱えて
いる人に起こるかもしれない

と私は思いました。

最初の内はタッピングによって気分が良くなり、その人はタッピングを続けていこうと思います。


しかし、体内化学反応のパターンが深く留まり、極度に影響を及ぼしていて、それが体にとっての
恒常性や一種の安全装置(少なくとも最初は自動的に意図されたパターン)となっている古い
パターンを取り除こうとする所で、その人の生命維持に対しての脅威になると認知されるかも知れない
のです。

この場合、新しいパターンが確立する前に古いパターンを取り除こうとし始めると不安が生じてくるため
に、タッピングへの取り組みが挫折し始めるのです。

何かを変えようと試みる度に、何度もこの事を私は経験してきました。

EFTはしばらくの間は役に立つのですが、その後タッピングする事への不安があまりにも大きくなる
時がくるのです。

私は全くタッピングが出来ず、その不安にさえタッピングが出来ませんでした。

しかし、いったん、ベラルスの説明を理解したら、新しいやり方でタッピングに取り組めるようになり
ました。


最初に、先の研究からベラルスの認知的な方法を使いました。


『体内化学反応はまさにその通りだと思うけれども、これは異常な状況下での正常な反応です。


そして、これを取り除くのに抵抗する事も正常なのです。この反応は危険な事が起こる可能性を私に
警告してくれることで、私の生命を守るようにセットされています。だから、私はタッピングなんかやり
たくないのです!

だけど、深く完全に自分を受け入れます。』


「正常な化学反応パターン」


「私の体の智恵が作り出したものは、どんなものでも」


「皆、私を安全でいられるように、とても一生懸命働いている」


「私はそのパターン全てに感謝します」


「この変化のプロセスに耐えられます」


そして、深呼吸をします。


そして、古い連鎖反応パターンに、それを変えられると言います。


(これを行なっている時、脳の中で変化しているのを感じます)


安全な感覚、平和、喜び、愛、幸福感などを生み出す新しい化学反応を意識して創ります。


そして、ここでも私は脳の中で、この新しい化学反応が起こっている感覚に集中します。(ナパステック
は本の中で、イメージを創り出す時、そのイメージは化学反応を表したり、科学的でなくても全く構わ
ないと述べています。


それはシンボル的な、その人にとって十分に意味があるもので良いのです。もし私達がイメージを
科学的なものにしようとしたら、身体の機能やプロセスに対して正確でなければなりません。)

私はタッピングの間、ゲアリーの独り言を言い続ける方法のような感じで、ただ私の内なる智恵に
言葉を導き出してもらうようにします。

ですから、毎回言う事が変わります。しかし、古い化学反応のパターンを認め、意識的に新しい
パターンを創り出すことが計り知れないほど貴重である事が分かりました。

そして、ベラルース・ナパステックと彼女の本が洞察を与えてくれた事に恩を感じています。

私がタッピングする事に嫌気がさしている時に役立っている2つ目の方法も、やはりこの本から得た
ものです。

この本によって、具体的なトラウマに関係している部分だけではなく、トラウマがどのようにして身体と
神経系全てに渡って保持されるかという事を私は深く理解しました。私はその事を知ってはいたの
ですが、彼女が本で説明している、プロセスと情報を1つにまとめた方法によって、更に深い理解を
得られたのです。

この本を理解する事によって、私がタッピングする気が失せてしまう時は、タッピングをする事さえも、
自分に有益でない事を誘発させてしまう時なのだという事が分かったのです。ですから、このような
理由で、癒しを目的としている一般の人達はタッピングをする気が失せてしまうのです。この現象を
克服するため、私はよくイメージでタッピングをします。

しかし、イメージのタッピングさえもやり過ぎてしまう事があります。

そこで、ナパステックの研究を念頭において、私はエネルギー体(肉体から数センチ離れたところに
感じる)に対してイメージのタッピングを始めました。

このタッピングは望ましい成果を挙げました。このタッピングは他のものを誘発せず、フレーズは、
どんなに肉体が傷ついても魂を決して傷つかないという私の信念、直観に合った霊的な意味合いを
含むものに急激に変化していきました。

これは非常に上手くいきました。問題が、平和や喜び、愛、感謝に取って代わったのです。

明らかなトラウマに対してワークする為だけでなく、その多くが何らかの形でトラウマを原因としている、
深刻な慢性的な身体症状に対して可能な援助を差し伸べる方法として、このテクニックを分かち合い
たいと思います。

タッピングする事に抵抗する時が来るのを前提としたモデルを作ることは、とても役立つと思います。

このモデルは、タッピングする気が失せる可能性を取り除く事から始まり、望んでいる目的に到達する
ようタッピングを続けられるようにしてくれることでしょう。

この2つの要点は強力な方法になる可能性があるように聞えますが、私は自分自身に対して行なった
だけであることを強調したいと思います。

ですから、本当に広く適用出来るかどうか、更に追試や実証が必要です。

しかし、私はいいセンをいっていると思います。

ありがとう、ベラルス。ありがとう、ゲアリー。ありがとう、皆さん!


キャサリン・ライト


clight33@earthlink.net



註1.二次利得−問題がある事によって、何らかの形で本人が利益を得ている事。例:足が麻痺して
いる為に、家事一切をやらなくて済んでいる等、本人の意識は足の麻痺を治したいと思っているが、
無意識のレベルでは麻痺が治ることで家事をしなければいけなくなるという事を分かっている。
(これは、単純な、家事がしたくないから麻痺したという直接的な因果関係ではない。)

 




翻訳: 岩井 邦夫


監訳:ブレンダ・ダランパン 






重要な注意:

EFT は臨床的にめざましい結果を生み出していますが、このテクニックはまだ実験段階
であることを考慮しなければなりません。
ですから、EFT を使用するプラクティショナや一般の人々は、このテクニックを使用する
ことについて自分自身で完全な責任をとらなければなりません。
さらに付け加えると、Gary Graig は医療に関する専門的な免許を持っていません。
彼は任命された牧師として、またパーソナルパフォーマンスコーチとしての立場から
EFT を提供しています。
特定の感情的問題、または身体的問題に EFT を用いることについて、医療分野の
専門家との話し合いを望まれる方は、http://www.emofree.com/ のプラクティショナ
紹介ページをご覧ください。

そこには、公的な資格をもった、あるいは公的な資格を持たないEFT プラクティショナ
がリストアップされています。
 

EFT をお使いになる方は必要に応じて、資格のある医師に相談してください。



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