EFTがクライアントを「より悪い気分」にさせる?


註:この質問には、実際のケースの説明で答えるのが一番です。ですから、EFTのE-mailサポートリストに掲載されている下記のケースを提示します。

 

こんにちは、みなさん

 

グレン・ターナーは、良好な進展があったように見えたクライアントが、後から“より悪くなったように感じる”と報告してきた事例について書いています。このようなことは、さほど頻繁に起きるわけではありませんが、そうなったときにはしばしば誤解が生じます。それは問題であるかのように見えますが、実際には、クライアントとEFTプラクティショナーにひとつの機会を提供しているのです。次の文章を読んでください。

 

愛を込めて、ゲアリーより

 

P.S. この『より悪くなったように感じる』のは、ここでは感情的な問題に集中して議論されていますが、身体的な不快感も、これと同じ考えが同様に適応できます。

 


こんにちは、ゲアリー。

私の昔からの家族ぐるみの友達のちょっとした体験について、意見がもらえれば有難く思います。この友達は、先週、あまりに仕事が大量にあって取りかかることすらできないぐらいひどい不安に苦しみ、私のところにやって来ました。

ゲアリーの返事: ここに、あなたの友達が、なぜ、後に“もっと悪くなったように感じる”ようになったか、その最初の鍵があります。彼は、“あまりに仕事が大量にあって取りかかることすらできないぐらい、ひどい不安に苦しんでいる”ことであなたのところに来たのですよね。彼は、森全体がネガティブの木で満ち満ちている状態であなたの家のドアの前にやってきたのです。概して、これらの木には深刻な根っこがあり、いくつもいくつもの特定の恐怖やトラウマ、罪悪感がその背後に隠れているのです。それら全てを一回のセッションで解決することはないでしょう。けれど、よくありそうなこととしては、いくつかの表面的な問題が解決し、それでもっと重要な問題が表面に浮かび上がってくる、というものです。

グレンの続き: 私は、とても一般的なタッピング、特に、『この重い重い重量感』というものについて行い、それで彼はとてもよい気分になりました。久しぶりにその夜は食事をしました。少しは食べていたんですが、不安やそれに付随する気分の悪さで、胸がすっきりしないためにあまり食事を取ることができていなかったのです。彼は、それを奇跡のようだと思い、率直に言って、私もそう思いました。

ゲアリーの返事: こうしたことは、一般的な不安では、しばしば起きることです。EFTを数ラウンドで、直ちに問題が静まります。これはしばしば、奇跡のように見えます。かなり動揺してやってきた人が、またたくまに、落ち着いてせっせと自分の仕事を始める。もし、動揺が舞い戻ってきても(非常に一般的な不安ではありそうなことですが)、それはEFTが”効果がなかった“わけでも、また、”より悪くなったように感じる“のがEFTのせいというわけでもありません。むしろ、EFTが表面的な問題を取り除いたおかげで、隠れていたもっと根本的な問題が浮かび上がってこれるのです。

この真実の元凶は(これはいつでもそこにあるのですが)、いまや目の前の中心に現れました。これは、『問題』ではありません。『機会』なのです!!! ようやく本当の問題が現れて、EFTの始まりになります。この時点で後退して、何がおきているか誤解してしまうのは簡単です。けれど、気が効いたEFT遣いならば、内心「やった!」と思うのでしょう。なぜなら、今こそ「大きいの」が外に出てきたのですから。

グレンの続き: ところが、数日すると彼が電話をかけてきて、ずいぶん動揺しながら、また私に会いたいと言いました。彼に会うと、彼は前よりも悪くなっているように見えました。タッピングは彼をより悪い状態にしてしまったようでした。私はあれこれ推測したのですが、私が感じたことといえば、彼を真実とても(深刻に)落ち込ませている出来事は、彼は金銭的なことのために熱心に働いてきたのに、それが全て失われてしまったことだということでした。それで思ったのは、彼のほかの木がいくつか刈り取られるまで、彼にはその事実が見えないのだと思いました。このことがヒットしたときには、彼は非常に動揺し、私はそれについてしばらくタッピングをしました。

ゲアリーの返事: あなたがすでに推測したあとなので、我々は彼の考えがどこに向かっていたか、その本当のところは分かりません。けれど、彼がその大きな問題を、他の木が切り倒されるまで分からなかったというあなたの考えは、このようなケースにぴったり合致します。その”真実“は、様々な合理的解釈や、真実を防護する別の問題などあらゆる形をとったものに、覆い隠されています。これらの表面を覆う問題にEFTをすることで、私たちはようやく、彼の人生にネガティブな影響を与え続けてきた、問題の核を扱うことができるのです。単にあなたの例で、この問題が何かということを引っ張り出すのではなく、ちょっとした芸術的手腕と探偵のような働きによって、問題がかなり早く明らかになるはずです。

それで思い出されるのが2,3年前に私を訪れたクライアントです。彼は彼の女友達と口論をしたことでとても動揺していました。それは、とても単純な口論で、怒りは一回か2回のEFTで解決する典型的なものでした。ところが、そのクライアントの瞬間的な怒りはなくならず、“より悪く感じる”と言ってきたのです。なぜでしょう?理由は、彼のお母さんが彼に怒鳴り散らして彼をけなしていた頃に話が行き着いてようやく発見できました。本当の問題は、彼のお母さんだったのです。彼の女友達ではなく。この女友達との口論は、本当の問題への引き金にすぎず、彼女のお母さんの問題を解決するまで彼は“より悪くなった感じ”がしていました。(ところで、そこにはいくつものアスペクトがあるので、数回のセッションが必要でした)

グレンの続き:  まだ動揺を感じているようでしたが、半分微笑んでいる彼にタッピングするのをやめて、多分、これができる限りの最善の方法だよ、といいました。

ゲアリーの返答:  もしかしたら、あなたはここで核となる問題を明るみに出して、それを解決したかもしれません。クライアントに再び会って、彼の不安の様子を判断してみるまでは、もちろん、分からないでしょう。けれどもし、彼が戻ってきて不安を訴えたら、その原因としてあなたがすでにタッピングしたことではない問題を示してくるチャンスはとても大きいです。彼は新しい問題(アスペクト)を引っ張り出すでしょう。これは、このようなケースでは典型的で、もちろん、EFTが効果的に働くという輝かしい証拠なのです。けれど、しばしば、彼らがまだ不安を感じているのを、クライアントにとっての進展だと認識しないことがあります。彼らにとって問題は不安そのものであって、その個々のパーツではないのです。私が提案したいのは、プラクティショナーがこうしたタイプの問題をルーチン化していくということです。不安を扱う道筋にそって生じてくる、解決すべき事柄の長い連なりを、クライアントに首尾一貫して思い出させるのです。これはクライアントの協力によって、計り知れないほど役立ちます。

グレンの続き:  ここまでくるのにちょっと時間がかかりましたが、私の質問はこうです。将来の人生の「エンディング」を変えうる事柄、ほとんど起きるのが確定的だと思える事柄、などついての心配について、それらの問題に「フタをしておく」というのはよいことでしょうか? 強引にまだ準備ができていない(そして、かなり率直に言って私は準備ができてませんでした)ようなことに、何度も首を突っ込むよりも? 私のある部分では、この気付きから生まれたこれらの感情を捕えて、何に直面しているのかを知るのが良いと感じています。他の部分では、この出来事のあと、いまとなってはよく分からない感じです。とりとめがなくてすみませんが、どんなアドバイスでも、喜んで受け取らせていただきます。

ゲアリーの返事: 思うに、その問題をそのままにして取りやめたほうがいいような、クライアントに現実逃避させておいたほうがいい状況、というのはいくつかあるでしょう。私は、そうした判断は個人にゆだねます。けれど、わたしはこれまで、引き返したり、止めようと思った状況に遭遇したことはありません。

前に述べたように、私は、この様なケースは主として、次のような機会だと捉えます。(1)クライアントにとって、ようやく彼らの主な制限をはずせる、(2)プラクティショナーにとって、彼らの技量を深め、以前はたどり着けなかった境地まで進める。真実は、真実です。私たちがどうしたいと願おうが願うまいが、事実は事実として影響を与えます。私たちが望まなくても、夜は来ます。雨もそう、風もそう、死も、そして税金もそうです。現実はいつもそういう形をとります、それが私たちの真実です。それを先送りしたり、無視したりすれば、人々が変わることはありません。

グレンの続き: では、お元気で。

 

翻訳:岩井 邦夫

原文 http://ww.emofree.com/faq/feelworse.htm


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重要な注意:

EFT は臨床的にめざましい結果を生み出していますが、このテクニックはまだ実験段階であることを考慮しなければなりません。
ですから、EFT を使用するプラクティショナや一般の人々は、このテクニックを使用することについて自分自身で完全な責任をとらなければなりません。
さらに付け加えると、Gary Graig は医療に関する専門的な免許を持っていません。
彼は任命された牧師として、またパーソナルパフォーマンスコーチとしての立場からEFT を提供しています。
特定の感情的問題、または身体的問題に EFT を用いることについて、医療分野の専門家との話し合いを望まれる方は、http://www.emofree.com/ のプラクティショナ紹介ページをご覧ください。

そこには、公的な資格をもった、あるいは公的な資格を持たないEFT プラクティショナがリストアップされています。
 

EFT をお使いになる方は必要に応じて、資格のある医師に相談してください。